こんにちは。教員の湯島彰良です。
今回のトリビアは東洋医学的な病気や人の体の考え方について、西洋医学と比べながらご紹介いたします。
西洋医学では病気を理解するために、「細胞」や「DNA」のように人の体を細かく分解して人の体を理解しようとされてきました。その結果、今日に伝わる生理学や解剖学といった学問が発展しました。細かく調べた体の機能や構造のどこかに問題が起きて、その問題が病気として現れると考えられています。
一方、東洋医学では、人の体「自然の一部」として捉え、自然現象を観察して得られる法則から、人の体を理解しようとしてきました。
例えば、熱があり、顔が赤くなり、頭痛がしたり、頭がぼーっとしたりすることがあります。これを東洋医学では、「熱(火)」が体の上の方で悪さをすると考えました。
ライターやガスコンロに火をつけると、火柱は上に立ちます。また、火の温度は空気により多く触れる火柱の先端(上)のほうの温度が高くなっています。さらに、物が燃えると煙は上に登ってゆきます。
これらのことから、「熱(火)」があるところには、上のほうに何か力が働くということに気付きが生まれました。さらに体に過剰な熱を「火」と捉え、自然界の「火」の起こす現象に当てはめて、人の体の中に火があるとどうなるのか考えました。
結果、体の中にある火が体の上の方にある頭に影響して、頭が痛くなったり顔が赤くなったりする、というふうに考えるようになったと言われています。