今回のトリビアは教員のはり太がお届けいたします。
師走になり2020年も終わろうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。年の初めには思いもしなかった東京オリンピックの延期など、いろいろなことがありました。
来年は穏やかな年でありますよう願ってやみません。
さて、刺鍼の方式(鍼を刺す方法)には様々な方法がありますが、大きく分けて3つの方法があります。
撚鍼法(ねんしんほう)、管鍼法(かんしんほう)と打鍼法(だしんほう)です。
この中でも日本で現在、一般的な鍼の打ち方は管鍼法です。
管鍼法は日本独自の方法で鍼管(しんかん)という管(くだ)を用いて刺入する方法です。鍼管はガイドチューブの役割をしていて、この方法は刺入が簡単で、刺入時の痛みを少なくすることができるので日本では現在最も広く活用されている手技です。
本校では基本的にはこの方法で刺入の練習をします。
それでは、具体的に管鍼法のやり方を見てみましょう。
最初に鍼の入っている鍼管を親指と人差し指を使って軽くつまんで立たせます。
この手を押手(おしで)といいます。
次に鍼管から出ている部分(約4mm程度)を、もう片方の人差し指で軽く弾くようにたたきます。これを弾入(だんにゅう)といいます。
弾入が終わった後はこのようになります。
この管鍼法は、江戸時代に杉山和一という方が考案しました。
杉山和一は将軍・徳川綱吉の時代の鍼師で、鍼・あん摩技術の取得教育を主眼とした視覚障碍者の教育施設を開設しました。
初めは慣れない刺鍼の方法ですが、3年間練習すると誰でも技に磨きがかかります。
みんなと一緒に練習しませんか?
それでは、よい年をお迎えください。